2026年5月16日(土)、富士ヒルクライムの第4回試走を行いました。
今回のタイムは89分59秒。目標のブロンズ(90分以内)圏内に、数字上は入ることができました。
ただし、正直に言います。手放しには喜べない結果でした。
平均ワットは前回(189W)より6W下がって183W。タイムが縮まったのにパワーが落ちているということは、当日の風向きなど外的条件に助けられた可能性が高いと見ています。
本番まで残りわずか。4回分のパワーデータと今回の試走で見えてきた課題・新発見をすべてレポートします。
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富士ヒルクライムとブロンズの壁
まず富士ヒルクライムのコースを簡単に紹介します。スタートはスバルライン料金所下、フィニッシュは富士スバルライン五合目。計測区間は約24km、獲得標高は約1,255m、平均勾配5.2%のコースです。
フィニッシャーリングの基準はタイムで決まります。
| リング | 条件 |
|---|---|
| ゴールド | 65分切り |
| シルバー | 75分切り |
| ブロンズ | 90分切り |
| ブルー | 完走者全員 |
私の目標はブロンズ(90分切り)。今回の試走タイムは89分59秒でギリギリ圏内に入りましたが、本番でこのタイムを確実に再現できるかどうかはまだ不透明です。
第4回試走の結果:タイムは縮まった、でもデータは正直だ
今回と前回のデータを並べてみます。
| 項目 | 第3回(5月6日) | 第4回(5月16日) |
|---|---|---|
| ホイール | Yoeleo SAT C50 DB PRO NxT SL2 | シマノ105 WH-RS710-C46-TL DISC |
| タイム | 90分57秒 | 89分59秒 |
| 平均パワー | 189W | 183W |
| ブロンズまで | 57秒オーバー | 1秒アンダー |
タイムは約1分短縮。しかし平均パワーは6W低下しています。パワーが下がっているのにタイムが縮まった。この「矛盾」の正体を解説していきます。
4回の試走パワーデータを比較する
今回で試走は4回目となりました。蓄積されたデータを区間ごとに比較してみます。
| 回 | 日付・機材 | 平均W | スタート〜1合目 | 1合目〜樹海台 | 樹海台〜大沢 | 大沢〜奥庭 | 奥庭〜ゴール |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 10月・105 | 183W | 209W | 186W | 177W | 161W | 166W |
| 2回目 | 4月・ヨーレオ | 175W | 199W | 177W | 174W | 154W | 155W |
| 3回目 | 5/6・ヨーレオ | 189W | 188W | 204W | 189W | 180W | 174W |
| 4回目 | 5/16・105 | 183W | 191W | 192W | 179W | 167W | 175W |

- 1回目はスタート直後に209Wと突っ込み、後半に向けて急激に失速している
- 3回目は1合目〜樹海台で204Wとオーバーペース、その代償が後半のパワー低下に出た
- 4回目はスタートから樹海台まで191W→192Wとほぼフラット、最も均等なペース配分
- 4回すべてに共通しているのが「樹海台〜大沢区間でパワーが落ちる」こと
前回から立てた改善策5つを検証する
前回の試走後に立てた改善策が今回どうなったか、ひとつずつ確認してみます。
① タイム:90分57秒 → 89分59秒(外的要因あり)
数字上はブロンズ圏内に入りました。
ただし平均ワットは前回より6W低い183W。
当日の風向きの良さが大きく影響したと考えています。
パワー的な成長が伴っていない以上、本番での再現性は保証できません。喜びつつも、課題として引き続き受け止めています。
② ホイール検証:105の方がパワーロスが少ない可能性
前回(3回目)はヨーレオホイールで平均189W・90分57秒。
今回(4回目)は105ホイールで平均183Wにもかかわらず89分59秒でした。
パワーが6W低くてもタイムが約1分縮まったということは、105ホイールのほうが転がり抵抗が少なくパワーロスが小さい可能性があります。
同じパワーなら105の方が速く走れるということになるため、本番は105ホイールで出走する予定です。
③ ペース配分:5〜10km区間の踏みすぎを防止できた
前回の課題だった「1合目〜樹海台の踏みすぎ(204W)」は、今回192Wに抑えることができました。
ただし、後半のパワーがタレる展開になりました。
前半のセーブと後半のペース維持を両立することが本番に向けた最後の課題です。
④ 朝食:固形物を減らしてお腹の苦しさが解消
前回は固形物を食べすぎてスタート直後にお腹が苦しくなる失敗がありました。
今回はおにぎり1個に絞ったところ、スタート時の胃の不快感は完全になくなりました。
この点は改善できています。
⑤ カフェイン:240mg(ジェル2本)に増量、効果は不明
前回の150mgから240mg(ジェル2本)に増量しましたが、体感としての効果はほとんどわかりませんでした。
本番でも2本は持っていく予定ですが、2本飲むかどうかは当日の体調で判断します。
4回共通の課題発見:樹海台〜大沢でパワーが落ちる
4回分のデータを重ねて、はっきり見えてきたことがあります。
どの回も「樹海台駐車場〜奥庭駐車場」にかけてパワーが落ちている。
疲れが蓄積してくるタイミングではありますが、実走しながら感じたのは「このあたりで集中力がタレてくる」ということでした。
特に問題なのが樹海台〜大沢の区間。
ここが長く感じられ、大沢駐車場あたりで遅れに気づいてもゴールまでの挽回が難しくなっています。
新戦略:通過チェックポイントで「気づかず失速」をなくす
一般的には各駐車場ごとの目標タイムを設定する方が多いと思います。
しかし私の場合、駐車場間の距離がそのまま集中力の「空白地帯」になっていました。
そこで樹海台〜大沢の間にある以下の2つを、新たな通過チェックポイントに設定します。
- 3合目看板
- スバルライン沿線緑化試験場看板
この2つは実走中に必ず目に入り、見落とすことのない看板です。
ここに通過目安タイムを設けてセルフチェックすることで、「気づいたときには遅すぎた」という状況をなくそうと考えています。


今回最大の発見:「本番マジック」はあるかもしれない
今回の試走でもっとも大きな収穫は、「本番マジックがあるかもしれない」と思えたことです。
4回目のデータを見ると、奥庭〜ゴール区間のパワーが167W → 175Wと回復しています。他の3回と比べても、ラストにパワーが戻ったのは今回だけです。
なぜか。理由は「人」でした。
本番が近いこともあり、この日はいつもよりはるかに多くのライダーが試走していました。
ラスト手前で隣にも追い込んでいる人がいて、「あともう少しですよー!」と声をかけてくださる方もいました。
その環境が自然と「あと少し、回し切ろう」という気持ちを引き出してくれたのだと思っています。
実は私はずっと「本番マジック」を信じていませんでした。
何度も試走を重ねてデータを分析し、一人でトレーニングを積んできた。
でもラストのパワー回復がデータに残った今回、その考えが少し変わりました。
本番では何百人ものライダーが一緒に走ります。その熱量が「もう少し」を引き出してくれるかもしれない。
そう思えただけで、本番へのモチベーションが大きく上がりました。
本番までの残課題:3カ所同時に足が攣った
良いことばかり書きましたが、今回の試走では右足のふくらはぎ・大腿四頭筋・ハムストリングスが登坂中に攣りました。3カ所同時です。
なぜ足は攣るのか
運動中の筋痙攣には、大きく2つの要因が考えられています。
① 電解質不足説
発汗によってナトリウム・カリウム・マグネシウムなどが失われ、筋収縮の制御が乱れるというもの。
マグネシウムが筋肉の「弛緩」、カルシウムが「収縮」を担っており、このバランスが崩れると痙攣が起きやすくなります。
② 神経筋疲労説(近年の有力説)
電解質よりも「筋肉疲労による神経筋制御の異常」が主因とする考え方です。運動強度が自分の閾値を超えたとき、電解質が十分あっても痙攣が起きることが報告されています。
今回の私の場合、3カ所同時に攣ったことを考えると、電解質不足と神経筋疲労の両方が重なった可能性があります。
本番に向けての対策
- 電解質補給の見直し:塩タブレットや電解質入りジェルを走行中にこまめに補給する
- 水分摂取量の増加:暑さへの対応として、補給ポイントでの水分量を増やす
- オーバーペースを避ける:神経筋疲労の観点から、自分の閾値内で走ることが根本的な予防になる
- スタート前のストレッチ:ふくらはぎ・ハムストリングスの可動域を確保しておく
本番当日に攣るのは絶対に避けたい。残りの期間で補給プロトコルを徹底的に見直します。
試走後のリカバリー:富士山溶岩の湯 泉水 & 手打ちうどん『くらよし』
試走後は今回も「富士山溶岩の湯 泉水」さんへ向かいました。

前回はよく分からずに入っていましたが、富士山の伏流水を使った天然バナジウム水と、浴壁・浴床に富士山の溶岩素材を使用した温泉とのこと。
特筆すべきはマイクロバブル露天風呂(若返りの湯)で、超微細気泡が血行を促進し、疲労物質の排出をサポートしてくれます。
3カ所攣るほど追い込んだ脚のリカバリーには、これ以上ない環境でした。
炭酸カルシウム温泉の血行促進効果とマイクロバブルの疲労物質排出効果が組み合わさって、翌日に疲れを持ち越すことなく回復できました。

今回は天気にも恵まれ、露天風呂から富士山がくっきりと望めました。登り切った達成感と目の前の絶景。試走を重ねるたびに、この景色と温泉のセットが楽しみになっています。

ホテルも併設されており、宿泊もできる場所となっています。
そして使ってしまったカロリーを補充しにきたのはこちら『手打ちうどん くらよし』さん

素晴らしいロケーションにあるお店でした。
スバルライン付近の吉田うどんのお店が長蛇の列なこともあって、こちらにきてみました。

場所は河口湖のやや南に位置しており、スバルラインからは少し離れています。
しかしそれが功を奏したのかお昼時でも並ばずにすぐに入ることができました。

今回注文したものは同じ自転車仲間の方からおすすめしていただいた「肉釜たまうどん」です。

普通盛りでも十二分にボリュームがあり、吉田うどんと濃い味の豚肉と卵、そして天かすが最高にマッチしていました。
そしてさらに嬉しいのはそのお値段。

どのメニューもお財布に優しく、気兼ねなくたっぷり食べて楽しむことができました。
スバルラインに関わらず、河口湖や山中湖ライド、フジイチ(富士山一周ライド)などのときの補給ポイントのひとつとして覚えておいて損はないです。
吉田のうどん くらよし
11:00~14:00 火曜日定休
〒401-0310 山梨県南都留郡富士河口湖町勝山5080-9
TEL:0555-72-6756
本番に向けて:3本ローラーで「90分回し続ける集中力」を鍛える
4回の試走を通じてわかったことがあります。私に今一番必要なのは「瞬間的なパワー」ではなく、90分間ペースを崩さずに踏み続ける集中力だということです。
しかし東京では、サイクリングロードでも信号や交差点で頻繁に止まります。「止まらずに90分間回し続ける」練習環境を屋外で整えることは難しいのが現実です。
そこで本番までの残り期間に取り入れるのが3本ローラーです。
3本ローラーがヒルクライムに効く理由
固定ローラーと違い、3本ローラーは車体が固定されていません。そのため常にバランスを保ちながら漕ぐ必要があり、自然と「滑らかで均一なペダリング」が身につきます。
- ペダリング技術の改善:上死点・下死点での踏み抜けが減り、パワーを無駄なく伝えられるようになる
- 体幹・バランス感覚の強化:ヒルクライムの低速・高負荷局面でのふらつきが減り、エネルギー効率が向上する
- 集中力の持続トレーニング:止まれない環境で90分回し続けることで、意識しなくても回し続けられる感覚が身につく
軽めのギアで高ケイデンス(90〜100rpm以上)を維持しながら一定時間回し続ける練習を、本番まで続けていきます。信号も坂も関係なく、ただひたすら回し続ける。富士ヒル本番のためにちょうど良いトレーニングです。
実際のヒルクライムでは、斜度変化によるシフトチェンジ、高度変化による呼吸動態の変化、追い風向かい風への対応など様々な要因が絡みます。
そこに対して集中力を使いたいこともあり「ペダルを回すだけ」の部分は無意識下でも行えるよう、反復して体に染み込ませることが大事と感じています。
私が使っているのはミノウラの3本ローラーです。新品で買うとなかなかのお値段がしますが、中古になるとぐっとお買い求め安くなります。
構造そのものは単純なので個人的には新品でなく、消耗品と割り切って中古でもいいかなというのが正直な感想です。
まとめ:データに正直に向き合って本番に臨む
第4回試走の結果と学びをまとめます。
- タイム89分59秒でブロンズ圏内。ただし平均ワットは低下、外的要因が大きい
- 105ホイールはヨーレオよりパワーロスが少ない可能性あり → 本番は105で出走
- 4回共通課題:樹海台〜大沢のパワー低下 → 3合目・スバルライン緑地試験場看板で通過チェック
- ラストのパワー回復データから「本番マジック」の存在を実感
- 残課題:足の攣り解消のための電解質補給・補給プロトコル見直し
「意識しなくても90分間回し続けられる集中力」を3本ローラーで鍛えながら、本番に向けて地道に準備を続けていきます。
過去の試走レポートはこちらからご覧いただけます。



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