【富士ヒルクライム2026】2.6kg減量・FTP+14Wで初ブロンズ達成|9年通勤ライダーの3ヶ月全記録

2026年6月7日、Mt.富士ヒルクライム本番を走ってきました。

結果は——

タイム 1:24:28/ブロンズ達成!

目標だった「90分切り=ブロンズ」を、約5分半の貯金を持ってクリアできました。

正直に言うと、3ヶ月前の私にこのタイムは出せませんでした。スタート時は59.0kg・FTP210W。

4回行った試走では何度やっても90分の壁に跳ね返されていた人間です。

そこから4月頭の減量スタート → 5月GW明けからの本格トレーニングという、お世辞にも「計画的」とは言えないドタバタの直前で、なんとかブロンズ圏内まで持っていきました。

この記事では、

  • どうやって2.6kg減量したのか
  • 直前1ヶ月でFTPを+14W伸ばしたトレーニング
  • カフェイン抜きで頭痛地獄を味わった話
  • 本番の区間別パワーデータ
  • そして「8割で終えてしまった」反省と来年シルバーへの課題

まで、数字と実体験ベースで全部まとめます。

これまでの試走の苦戦ぶりは フジヒル試走4回目レポート試走で100分に悪化した話 にまとめています。

本番はその「続き」です。

この記事は約 12分 で読めます。

目次

結果サマリー

項目数値
タイム1:24:28(計測区間 84:28)
認定ブロンズ(目標:90分切り)
平均パワー195W
NP198W(FTP比89%)
平均心拍170bpm(最大186bpm)
開催日2026年6月7日(日)

3ヶ月でここまで変わりました👇

項目開始時本番前変化
体重59.0kg56.4kg−2.6kg
FTP210W224W+14W
W/kg3.523.97+0.45

これらの向上が、90分の壁を越えさせてくれました。

スタート地点|59.0kg・FTP210Wの自分

私はロードバイク歴10年、通勤歴9年。スーツ・革靴で片道7kmを走る通勤ライダーです。

年間走行距離は7,500〜8,000kmほど。

「それだけ乗ってるならFTP高いんでしょ?」とよく言われますが、通勤やソロライドだけでは、ヒルクライムに必要な出力は伸びません。これは今回いちばん痛感したことです。試走でのタイム推移はこんな具合でした。

時期タイム平均W
1回目2025年10月91:00183W
2回目2026年4月106:18175W
3回目2026年5月6日90:57189W
4回目2026年5月16日89:59183W

何度やっても90分台。運良く90分を切った4回目も平均Wが上がっていないことからおそらく風などの外的要因。
1〜2分が、どうしても削れない。ここで私が出した結論はシンプルでした。

「出力を上げる(FTP)」か「軽くする(減量)」か。どうせなら両方やる

ヒルクライムのタイムを決めるのは、突き詰めると W/kg(パワーウェイトレシオ) です。
パワーを上げて体重を下げれば、確実に速くなる。
当たり前ですが、この当たり前に本気で取り組んだのが今回でした。

減量編|4月頭から2.6kg落とした食事管理

きっかけは「自分のFTPからの逆算」

自分のFTPを基準にW/kgを計算したとき、減量のインパクトの大きさに気づきました。
出力をすぐ上げるのは難しくても、体重は管理すれば確実に落とせる。

4月頭、59.0kgから減量をスタートしました。

食事管理の方針

無理な絶食はせず、「タンパク質を確保しながらカロリーを締める」方針に。

項目内容
タンパク質目標120g/日
カロリー目標1,800〜1,900kcal/日(トレ日は増量)
毎食の軸納豆・豆腐・卵でタンパク質確保
プロテイン水割り1〜2杯/日

筋肉(=パワーの源)を落とさずに脂肪だけ削るには、タンパク質の確保が肝でした。
減量中に欠かさなかったのがプロテインです。

減量期に愛用したプロテイン → ビーレジェンド ペコちゃん ミルキー風味

ただし、1日の必要なタンパク質量をプロテインだけで摂るのも現実的ではありませんし、なにより飽きてしまいます。

そのときにお世話になったメニューが簡易ばくだん冷奴です

  • 納豆
  • 豆腐
  • 温泉卵
  • かつおぶし
  • 醤油(大さじ1)

というシンプルですが、お手軽に作れるのに飽きの来にくい組み合わせです。

それでいてタンパク質は約34g、カロリーは約350kcalというかなり優秀なバランスです。
これにプロテインを1食分(タンパク質24g、120kcal)を組み合わせることで、私が1日に摂取すべきタンパク質量(120g)の約半分が取れる計算です。

さらに、この組み合わせの優秀なことは「お財布に優しいこと」です。どこのスーパーでも手に入りますし、1食は大体200円前後で作ることが可能です。

減量はある程度の時間がかかるので、無理なく続けられなければ意味がないと私は考えています。

体重推移

時期体重
開始時(4月頭)59.0kg
5/1457.0kg
5/2256.6kg
6/6(前日)56.4kg

無理なく、しかし着実に。

本番は56.4kgで迎えられました。計算上のW/kgは 3.97。目標としていた4.0W/kg目前まで来ました。

トレーニング編|直前1ヶ月でFTP+14W

「もっと早く始めればよかった」

正直、これが今回いちばんの反省です。

きちんとした定量的なトレーニングを始めたのは、本番1ヶ月前の5月頭
試走4回目の結果を見て、ようやく火がつきました。
最初に取り組んだのは SST(Sweet Spot Training)。FTPの88〜94%程度で長めに踏むメニューです。

転機は「オーバーアンダートレーニング」

その後、富士ヒル経験者の方から オーバーアンダー・トレーニング(クリスクロス) を教わりました。

  • FTP110%で1分
  • FTP90%で2分
  • これを4セット、レストを挟んでもう4セット

富士ヒルのような緩い斜度変化克服のためのメニューです。これが自分の走り方にハマったのか、効果は明確でした。

日付オーバーアンダー
5/21216W203W
5/23212W204W
5/25240W200W

オーバーアンダートレーニングを約1週間やった後にFTPテストを実施したところ——

FTP+14W更新(5/28確認走)

  • 20分走:平均235W・NP236W
  • 推定FTP:236W × 0.95 = 224W(旧210Wから+14W)
  • 心拍:平均178bpm・最大187bpm

210W → 224W。たった1ヶ月でこれだけ伸びるのかと驚きました。

改めて「ただ乗る」のと狙って追い込むのは別物だと改めて痛感しました。
肉体の成長というよりも、自分の持ってる力を効率的に発揮するためのテクニックが身についたのだと感じています。

ローラー練の際は3本ローラーと固定ローラーを使っています。

3本ローラーでは、無駄な力を使わないペダリングやスムーズなペダリングを染み込ませるために用いました。
ちなみに、音や振動が気になったこともあり私は主に外で使っていました。近くにフェンスのある緑道があったのでそこまで持って出て、早朝や夜に回していました。

タイヤ空気圧を下げると、ある程度負荷を強めることができるのでこれでオーバーアンダートレーニングをすることも可能でした。

FTPテストやオーバーアンダーで追い込みをかけるときは、やはり転倒の心配のない固定ローラーが優秀でした。
どれだけ追い込んでオールアウトしかけても転んで怪我をすることはないので追い込むならばやはり必須と感じました。

私はWahoo KICKR CORE2を使っていましたが、これに関しては最近もっと安いものも出ているのでそちらでもトレーニング効果は変わらなかったかな、と感じています。

いろんな方が紹介していて、Wahooと比較すると安くて良さそうなのはCYCPLUSのスマートトレーナーでした。
もしメダルを目指している方で試走結果が良くない方は一考の余地ありです。

カフェイン抜き|頭痛との6日間

レースでカフェインを「効かせる」ために、本番10日前からカフェイン抜きに挑戦しました。

きっかけは、試走時にカフェイン入りジェル(アミノサウルス エリートジェル03)を飲んでも、ほとんど効果を感じなかったこと。
普段から大量にカフェインを摂っているせいで、身体が慣れてしまっていたのです。

これがなかなかの地獄でした。

  • 最初の6日間:頭痛・倦怠感がひどい
  • 本番3日前:ようやく体調が戻り始める

正直「逆効果なんじゃないか」と不安になりましたが、本番では狙いどおりカフェインがしっかり効いた感覚がありました。
普段カフェインを多く摂る人ほど、レース前の一時的なカフェイン抜きは効果的かもしれません(ただし離脱症状は人によって強さが違うので、初挑戦は慎重に)。

当日の朝食と補給プラン

タイミング補給内容
前日夜スポーツドリンク500ml+水500mlで水分をしっかりチャージ
当日朝5:30〜6:30バナナ2本+ご飯(180g)+水200ml
到着後8:00MAURTEN GEL160+水200ml
スタート直前アミノサウルス03×1、スポーツドリンク200cc
レース中スポーツドリンク300cc(適宜)、アミノサウルス03×1(大沢駐車場手前)

レース中の主役はこの2つ。

  • アミノサウルス エリートジェル03(カフェイン入り)×2
  • MAURTEN GEL 160

結果として足攣りゼロ。電解質と補給のタイミング管理がうまくハマりました。

前日|宿泊と試走

前日試走で最終チェック

前日は実際にコースを試走。スタート〜1合目下を本番のペースで走り、時間感覚を作っておきました。
またチェックポイントに設定した看板や、斜度がゆるむポイントの目標の確認をしました。

宿泊は「パディーフィールド」さんが大当たり

今回お世話になったのは パディーフィールド さん。これが本当に良い宿でした。

パディーフィールドの詳細を確認する
  • 1軒貸し・6名まで宿泊可能
  • 宿泊費は一人8250円
  • 貸切大浴場あり
  • BBQもできる
  • 道の駅・スーパーが近く、おみやげ・朝ごはんの調達も楽

会場までは12kmほど。車で向かうのもよし、ウォーミングアップ代わりに自走するのもアリだと感じました。
設備と立地を考えると、かなり破格の条件

グループでの富士ヒル遠征には強くおすすめできます。前日は 21:00就寝。早めに布団に入りました。

当日朝|起床から会場入りまで

時刻行動
5:00起床
朝食ご飯180g+バナナ+水500cc
出走1時間前会場入り
ウォームアップ3本ローラーで10分(軽く汗が出る程度)

天気は曇り、やや寒いくらい。ヒルクライムには絶好のコンディションでした。途中は霧が濃く視界は悪かったものの、暑くないぶん圧倒的に走りやすい。気温が上がらない曇天は、ヒルクライマーにとって味方です。

本番レース|区間別パワー分析

ここからが本番です。まずは全体のパワー&心拍の推移をどうぞ。

区間別データ

区間区間時間平均パワー平均心拍
スタート〜1合目下24.9分211W172bpm
1合目下〜樹海台19.1分195W171bpm
樹海台〜大沢31.2分187W170bpm
大沢〜ゴール8.9分177W162bpm

序盤の急勾配で211Wと強めに入り、徐々にペースを落としていく展開。平均195W・NP198W(FTP89%)と、数字だけ見れば理想的なペース配分でした。

ハイライトは、樹海台までシルバーペースのトレインに乗れたこと。集団の力を借りて、想定より大きな貯金を作れました。

  • 樹海台時点:想定−8分の貯金
  • 大沢時点:想定−7分の貯金

このあたりまでは完璧な展開でした。……が、ここから反省パートに入ります。

反省点|なぜ8割で終えてしまったのか

ここが今回いちばん悔しいところです。
樹海台・大沢と想定を上回る貯金ができていたのに、私はその貯金を見て「守り」に入ってしまいました

起きたこと

  • 樹海台で恐怖心からトレインを離脱(「これ以上踏んだら後半タレる」と思った)
  • 大沢以降もタレることを恐れ、意図的にペースを抑えた
  • 結果、体力を出し切らず8割程度の消耗でゴール
  • 平均心拍170bpm(FTP走では178bpm出せる)と、明らかに余裕があった

つまり、貯金を「使う」のではなく「温存」してしまった
疲労によるタレではなく、自らのメンタルによってタレを引き起こしてしまったという本末転倒な結果となりました。

レースとしては安全策でブロンズを確実に獲りにいけた一方、自己ベストを狙うなら完全に詰めが甘かった。
データが冷静に語っています。「お前、まだ踏めただろ」と。

4回の試走 vs 本番|「一番楽だった」理由

驚いたことに、4回の試走と比べて本番が一番楽でした

区間4回目試走本番
スタート〜1合目191W211W
1合目〜樹海台192W195W
樹海台〜大沢179W187W
大沢〜ゴール167W177W
平均183W195W

全区間で試走を上回るパワー。なのに体感は一番ラク。理由は明確で、減量とFTP向上で「同じ出力を出すときの余裕」が増えたからです。

W/kgが上がると、同じ斜度でも回せるギアが変わり、心拍にも余裕が生まれる。数字(FTP+14W/−2.6kg)が、そのまま体感の軽さになって返ってきました。定量的なトレーニングの威力を、身体で理解した瞬間でした。

また、トレインについていくことで空気抵抗を低減、斜度が緩むタイミングもトレインのスピードアップが教えてくれるという肉体的にも思考能力的にもリソースを割かなくて良いという大きな利点を感じました。

下山後|うどんと溶岩の湯

レース後の楽しみ、補給と温泉も忘れずに。カロリー補充に向かったのは、お馴染みのくらよしさん。

肉釜たまうどんの大盛りで、削ったぶんをしっかり取り戻しました。減量明けの一杯は格別です。

温泉はこれまたお馴染み、富士山溶岩の湯

ただ富士ヒル参加者でごった返していたので、今回はささっと汗だけ流して撤収しました。

来年への課題|シルバー(75分)に向けて

今回の経験から、来年への課題は明確になりました。

課題1:トレーニングと減量を前倒しする

直前1ヶ月で詰め込んだ結果、これだけ伸びました。もし2〜3ヶ月前から計画的にやっていたらと思わずにいられません。来年はシーズン前から練習スケジュールを組みます。

課題2:「貯金は使うもの」というメンタル

最大の反省がこれ。

貯金は温存するものではなく、後半の攻めに使うもの。

タイムの貯金ができたなら、「多少タレても大丈夫」というメンタルで自己ベストに挑む。具体的には、心拍175bpm以下なら踏む・上げる判断をする、大沢以降こそ踏み込む

来年の目標:シルバー(75分)

今回のデータを素直に読むと、8割で1:24:28。全区間210W平均で全力走できれば、約1:18〜1:20は射程圏内。来年はシルバー(75分)を本気で狙います。

まとめ|W/kgは裏切らない

3ヶ月を振り返って、得た結論はとてもシンプルです。

  • ヒルクライムは W/kg。出力を上げ、体重を落とせば、確実に速くなる
  • 「ただ乗る」より「狙って追い込む」。定量的トレーニングは効く(1ヶ月でFTP+14W)
  • 貯金は温存せず、攻めに使う

通勤で年8,000km走っていても、ヒルクライムは別物。でも、正しく取り組めば3ヶ月でブロンズ圏内まで来られる。これは同じように「あと少し」で悩む方への、ささやかな実証データです。
来年、シルバーリングを持ってまたこの記事を更新できるよう、今度は計画的にやります。

試走から本番までの流れは、こちらもあわせてどうぞ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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