ロードバイクホイールのベアリングカスタム体験記|NSK非接触シールに交換して走ってわかった正直な結果

ホイールのベアリングをカスタムしました。

使用したのはNSKの非接触シールドベアリング。費用はベアリング代+工賃で合計約23,000円のカスタムです。

結果から先に言うと、体感できる差はほぼありませんでした。

でも、それ自体が大事な検証結果だったと思っています。
なぜ変わらなかったのか、その考察も含めて全部まとめます。

この記事は約 7分 で読めます。

目次

ベアリングカスタムをしようと思ったきっかけ

きっかけは、以前ベアリングについて調べていたときに読んだ記事でした。

ベアリングには「接触シール」と「非接触シール」があり、接触シール方式は密閉性が高い一方で摩擦抵抗が強くなる、という内容でした。

参考記事はこちら

つまり、シール方式を変えるだけで回転抵抗が変わるということです。
それを読んでから「いつか試してみたい」とずっと思っていました。

私が使っていたシマノ105カーボンホイールは、シールドベアリング式ではなかったため、先送りにしていました。

今回、新しいホイール「Yoeleo SAT C50 DB PRO NxT SL2」を予算より安く入手できたことで、浮いた予算をベアリングカスタムに充てることができました。

ようやく長年の興味を実行に移せたという感じです。

ビワイチで純正ベアリングの走行感を確認した

ベアリングカスタムを行う前に、純正ベアリングのままYoeleoホイールでビワイチ(琵琶湖一周174km)を走りました。これが今回の比較ベースラインになっています。

ビワイチでの純正ベアリングの印象は以下の通りでした。

  • 巡航中の加速反応は以前使っていたシマノ105ホイールより明確に上
  • 登りで急に斜度がきつくなったときの踏み込みへの反応が速い
  • 路面の突き上げはマイルドで、174kmでも疲労が想定より少なかった

純正状態でもすでに十分な性能を感じていました。そこからベアリングカスタムでどれだけ変化が出るか、という検証です。

Yoeleo SAT C50 DB PRO NxT SL2の純正ベアリング仕様

まず、このホイールに使われている純正ベアリングの仕様を公式情報で確認しました。

箇所型番サイズ(内径×外径×幅)
フロントハブ6803 × 2個17×26×5mm
リアハブ15267 × 1個15×26×7mm
リアハブ6902 × 1個15×28×7mm
フリーハブボディー6802 × 2個15×24×5mm

合計6個のベアリングが使われています。この6個を今回すべて交換しました。

今回使ったベアリングと費用の内訳

NSK非接触ベアリングを選んだ理由

ベアリングのシール方式には大きく2種類があります。

  • 接触シール(ZZやDDU表記):ゴムやメタルでしっかり密封。防塵・防水性が高い一方、シールがシャフトに接触するため摩擦抵抗が生まれる
  • 非接触シール(VV、DDなど表記):シールがわずかに浮いた状態で密封。防塵性は接触より若干落ちるが、シールの接触抵抗がなく回転がスムーズになりやすい

自転車ホイールのような用途では、摩擦抵抗の少ない非接触シールが回転性能の向上につながりやすいと言われています。今回はこの非接触シールのNSKベアリングを選びました。

NSKは日本精工株式会社のブランドで、国内でも信頼性の高いベアリングメーカーです。自転車用途での使用実績も多く、選択肢として定番の一つです。

費用まとめ

なお、15267ベアリングは見つからなかったため、依頼したショップの在庫品を購入・使用しました。その他の5個は自分で調達して持ち込みました。

項目費用
NSKベアリング(5個・自前調達)+ショップ在庫1個約7,000円
交換工賃(前後6個)16,000円
合計約23,000円

ベアリング交換は個人でも工具があればできる作業ですが、専用工具の購入費用と初めての作業にかかる時間を考えると、工賃16,000円は決して高くないと感じました。特に初回はショップに依頼して作業を見学するのが一番勉強になります。

矢野口のTRYCLEさんに依頼

依頼したのは矢野口にある「TRYCLE」さんです。

多摩川沿いを走る方にはおなじみのショップで、カスタム以外にも洗車やオリジナル商品の販売もしています。
他のプロショップよりも雰囲気がやわらかく、相談にも乗ってもらいやすいです。

ベアリング交換の作業自体はYouTubeで見たりしていました。
しかし今回はフロントからしていつも動画で見るものとは違うタイプ

動画だとよくシャフトが飛び出しているタイプが多かったのですが、Yoeleoの230NxTハブはシャフトが出ていないタイプでした。

おそらく内側のシャフト部分だけを叩けばベアリングを外せる…と思ったのですが、ベアリング交換自体したことがなかったこともあり、まずはプロにお願いしよう、ということになりました。

予想通り、この内側のシャフト径に合うもので、ベアリングには当たらない太さの工具とハンマーを使い、ハブからベアリングを押し出していました。

それ以外のところはベアリングプーラーという工具で取り出していました。
そして圧入工具で新しいベアリングを圧入。

交換したベアリングを手で空転させると、回転の滑らかさを確認できます。
作業中に新旧の回転感を比べさせてもらいましたが、意外にも空転させただけでは差がわかりませんでした。

この時点で少し嫌な予感がしましたが、実走してみないとわからないと思い直しました。

カスタム後に走った結果|ビワイチとの比較

ベアリング交換後に走ってみた結論から言うと、ビワイチ時(純正ベアリング)との体感差はほぼありませんでした。

比較してみた各項目の印象です。

項目純正ベアリング(ビワイチ時)NSKカスタム後
平地巡航の軽さ軽快ほぼ同じ
0スタートの加速スムーズほぼ同じ
登りの反応性良好ほぼ同じ
路面の突き上げマイルドほぼ同じ

「少し軽くなった気がする……?」という気持ちが全くないわけではありませんが、それはプラセボの可能性が高く、数値化できるような差ではありませんでした。
正直に言うと、23,000円の投資に見合う変化は感じられませんでした。

なぜ変わらなかったのか?2つの仮説

結果が変わらなかった理由として、2つの仮説を考えています。

仮説①:元々のYoeleoベアリングの品質が高かった

Yoeleo SAT C50は中古で約8万円で入手したホイールですが、定価ベースではそれなりの価格帯の製品です。
最初から精度の高いベアリングが使われていた可能性があります。

品質の高いベアリングが使われているホイールは、そもそも回転抵抗が低い状態でセットアップされています。
そこからさらに良いベアリングに変えても、改善幅が小さくなるのは自然なことかもしれません。

仮説②:購入したベアリングのグレードが合っていなかった

もう一つの可能性は、今回選んだNSKベアリングがYoeleoの純正品と同等グレードだったというケースです。
NSKは信頼性の高いメーカーですが、ベアリングにはグレード(精度ランク)があり、同じメーカーでも製品によって性能差があります。

より高精度なグレードのベアリングを使えば、結果が違ったかもしれません。これは次回の検証課題です。

個人的には①の可能性が高いと感じています。
ビワイチで純正ベアリングのままあれだけ気持ちよく走れたことを考えると、元々の品質が高かったのだと思います。

ベアリングカスタムが効果を発揮しやすいのはどんなホイールか

今回の経験から考えると、ベアリングカスタムの恩恵を受けやすいのは以下のようなケースではないかと思います。

  • エントリーグレードのホイール:コスト削減のために安価なベアリングが使われている可能性が高く、交換による改善幅が大きい
  • 走行距離が多く、ベアリングが摩耗・劣化しているホイール:新品のベアリングへの交換だけで回転が明らかに改善するケースがある
  • 購入してから一度もメンテナンスしていないホイール:グリスが劣化して回転抵抗が増している場合、リグリースと合わせて効果が出やすい

逆に、もともと高品質なベアリングが採用されているミドル〜ハイグレードのホイールでは、ベアリングカスタムの費用対効果は低くなりやすいというのが今回の実感です。

まとめ|次回の検証予定

ロードバイクホイールのベアリングカスタム体験記をまとめます。

  • Yoeleo SAT C50 DB PRO NxT SL2のベアリング6個をNSK非接触シールドに交換
  • 費用:ベアリング約7,000円+工賃16,000円=計約23,000円
  • 依頼先:矢野口・TRYCLEさん
  • 結果:ビワイチ時(純正ベアリング)との体感差はほぼなし
  • 考察:元々のYoeleoベアリングの品質が高かった可能性が高い

結果は「変わらなかった」でしたが、これはこれで価値ある検証でした。
「ベアリングカスタムは万能ではない」「効果はホイールのグレードによって変わる」という実体験ベースの結論が得られたからです。

次回の検証として、より高精度なグレードのベアリングカスタムも構想中です。
カスタムを行いましたら今回のようにまたご報告致します。

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