スーツ・革靴で片道7kmを9年通勤してきたくりりんです。
真夏の自転車は、倒れてからでは遅い。私自身、通勤でも週末ライドでも「熱中症になりかけた」経験があります。
この記事では、熱中症の予防・応急処置と、倒れる前に必ず出る「いつもと違うサイン」の見分け方を、実体験と専門知識の両面からまとめます。
水分のとり方は疲労回復=水分と睡眠の記事とも深く関わるので、あわせて読むと効果的です。
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結論|熱中症は「予防が8割、サインに気づくのが2割」
先に結論です。
自転車の熱中症は、水分・塩分・暑熱順化で予防し、それでも危ないときは「いつもと違う」体感のサインを見逃さないこと。この2つでほぼ防げます。
大事なのは、倒れる前には必ず前触れがあるということ。
私のなりかけた経験も、すべて「体が出していたサイン」を後から振り返ると説明がつきました。
自転車の熱中症はなぜ怖い|仕組みと危険サイン
体は汗をかいて体温を下げますが、水分と塩分が足りなくなると体温調整が破綻します。
やっかいなのは、自転車は走行風で汗がどんどん乾くため、脱水に気づきにくいこと。
気づいたときには進んでいる、というのが自転車の熱中症の怖さです。
熱中症はおおまかに3段階に分けられます。
- Ⅰ度:めまい・立ちくらみ・筋肉のつり(こむら返り)・大量の汗
- Ⅱ度:頭痛・吐き気・体に力が入らない・強い倦怠感
- Ⅲ度:意識がもうろう・まっすぐ歩けない・けいれん(危険な状態)
意識がもうろうとする・まっすぐ歩けない・自分で水分がとれない・けいれんがある場合は、ためらわず救急車を。
※この記事は予防・セルフケアの情報で、医療行為や診断を目的としたものではありません。
数字より「いつもと違う」体感が早期サイン
9年走ってきて思うのは、体感の”いつもと違う”が最も早い警告だということ。
具体的には、次の3つです。
- いつもと違う、異常な疲労感(同じペース・距離なのに重い)
- 止まらない汗(休んでもなかなか汗が引かない)
- いくら飲んでも喉が渇く
この3つを感じたら、すでに熱中症の入り口です。
次に、私が実際にこのサインを体験した日の話をします。
【実体験】私が熱中症になりかけた2つの日
① 寝坊して、朝食も水分も抜いて通勤した日
寝坊して、朝ごはんも朝の水分もとらずに出勤した日のこと。
最初の10分はいつもと変わりませんでした。
ところが後半になるにつれ、いつもよりペースが遅いのに足が重く、疲労感がすごい。汗もいつもより多く、息も荒くなってきました。
職場に着いても、いつもなら15分ほどで引く汗が、その日は30分経ってもひたすら出続け、いくら水を飲んでも喉が渇く状態。
振り返れば、これは完全に熱中症の初期症状でした。
原因は明らか——空腹・脱水のままスタートしたことです。
② 予報36℃・サイコン43℃の週末ライド
週末ライドでもなりかけました。
その日の気温は天気予報で36℃、サイコンの気温表示では43℃。
近所のサイクリングロードを走っていましたが、いつもなら30kmでは疲れないのに、その日は80〜100km走ったあとのような疲労感。脚が攣りそうな感覚もありました。
すぐにコンビニへ避難し、ひたすらスポーツドリンクを飲みましたが、やはり30分以上汗が止まりませんでした。
どちらも倒れるほどではありませんでしたが、「いつもと違う疲労感」「止まらない汗」は、体が出す重要なサインだと実感した経験です。
私の夏の熱中症対策&装備【実践リスト】
これらの経験から、今は次の対策を組み合わせています。
どれも実際に続けているものだけを紹介します。
出発前|塩タブレット+コップ一杯の水だけは必ず

どんなに忙しくても、塩タブレットとコップ一杯の水だけは摂ってから出る。
①の失敗以来、これは絶対のルールにしています。
飴は夏の気温で溶けてしまうので、補給食には飴ではなく塩タブレットを入れています。
走行中の水分|保冷ボトルに冷たい水を

夏は保冷ボトルに冷たい水を入れて持ちます。
スポーツドリンクも良いですが、水なら頭から被って体を冷やすこともできるのが利点。
飲む水分と、かける水分の両方を確保しておくイメージです。
電解質の細かいとり方は水分と睡眠の記事もどうぞ。
ウェア|白ヘルメット・接触冷感・濡らして冷却
夏のヘルメットは白にしています。
黒より熱を吸収しにくく、頭の温度上昇をおさえられます(ヘルメット選びはヘルメットの記事で詳しく)。
週末ライドは、あえて長袖インナー+ビブタイツ(またはビブショーツ+レッグカバー)。
露出を減らして日焼けを防ぎつつ、暑いときは濡らして気化熱で冷却できるのが狙いです。
「夏こそ長袖」は理にかなっています。


体を冷やす|「やばい」と思ったらロックアイス
通勤でも週末ライドでも、いつもと違う発汗や疲労感を感じたら、コンビニのロックアイスを買ってとにかく体を冷やします。
首・脇・脚の付け根など太い血管を冷やすと効率的です。
暑い時間に長く走るときは、ランニング用やトレイル用のリュックにロックアイスを入れ、背中を冷やしながら走るのも効果的。
背中は面積が大きいので、冷却の体感がはっきりあります。
時間帯|週末は「涼しい時間」に走る
週末ライドは出発時間を早め、できるだけ涼しい時間に走り切るのが一番の対策です。
同じ距離でも、午前の早い時間と日中とでは体への負担がまるで違います。
暑熱順化|現代人が夏バテする本当の理由
夏に強い体をつくる土台が暑熱順化(しょねつじゅんか)です。
これは暑さに体を慣らすことで、汗を早くかけるようになり、汗の塩分ロスが減り、血液量が増えて体温調整がうまくなる適応のこと。
だいたい1〜2週間かけて整います。
ところが、現代人はエアコン環境に慣れすぎて、暑熱順化ができていない人がとても多い。
汗をかく機会が減ると体温調整が下手になり、自律神経の乱れ → 食欲不振 → 夏バテというフルコンボにつながります。
施術の現場でも、夏にこの流れで不調を訴える患者さんが本当に多いです。
対策はシンプルで、エアコンに頼りすぎず、少しずつ汗をかいて体を慣らすこと。
その意味で、朝夕の通勤ライドは絶好の暑熱順化トレーニングになります。
(ただし無理は禁物。前章の対策とセットで取り組んでください)
東洋医学の夏の養生|原穴のツボと食べもの
東洋医学では、季節と内臓を「五行色体表」で対応づけます。
夏は「火=心(しん)」、梅雨〜晩夏の長夏(ちょうか)は「土=脾(ひ)」の季節。
この2つの臓をいたわることが、夏バテ予防の養生になります。
| 季節 | 五行/五臓 | 養う味 | セルフケアの原穴 | おすすめの食べもの |
|---|---|---|---|---|
| 夏 | 火/心 | 苦味 | 神門(しんもん) | ゴーヤ・ピーマン・緑茶・みょうがなどの苦味 |
| 長夏(梅雨〜晩夏) | 土/脾 | 甘味 | 太白(たいはく) | 米・かぼちゃ・さつまいも・山芋・とうもろこし・豆類の自然な甘味 |
神門は手首の内側・小指側のしわの上にあるツボ。
動悸や寝つきの悪さ、自律神経の高ぶりを落ち着けたいときに。

太白は足の親指の付け根、骨の際にあるツボ。
食欲不振・だるさ・むくみなど、夏に弱りやすい「脾(胃腸)」を助けます。

マッサージするよりもピップエレキバンなどを貼ってしまうほうが楽と思います。
夏バテを感じている間は毎日貼っておくとより効果的です。
食べものは、冷たいもの・甘いものの摂りすぎはかえって脾を弱らせるので、自然な甘味を温かくとるのがコツです。
(東洋医学の養生の考え方で、治療を目的とするものではありません)
よくある質問(FAQ)
Q. 水だけ飲んでいればいい?
大量に汗をかくときは塩分(電解質)も一緒に。
水だけを大量に飲むと、体内のナトリウムが薄まって逆に不調になることもあります。
Q. スポーツドリンクと経口補水液の違いは?
予防・日常はスポーツドリンク、すでに脱水気味なら経口補水液が向きます。
用途で使い分けましょう。
Q. 体を冷やすならどこ?
首・脇の下・脚の付け根など、太い血管が通る場所を冷やすと効率よく体温を下げられます。
背中などの面積が広いところを継続的に冷やすのも効果的です。
Q. 脚が攣るのは熱中症?
脱水・電解質不足のサインのことがあります。
水分と塩分を補い、無理せず休んでください。
Q. 走る前に気をつけることは?
寝不足・空腹・二日酔いは熱中症リスクを上げます。
前夜の睡眠と水分も大切です(疲労回復=水分と睡眠の記事)。
まとめ|予防と「いつもと違う」サインで夏を乗り切る
自転車の熱中症は、正しく備えればこわくありません。
- 出発前に塩タブレット+水。空腹・脱水でスタートしない
- 保冷ボトルの冷水、塩タブレット、ロックアイスで「飲む・かける・冷やす」
- 白ヘルメット・濡らせる長袖で日焼けと暑さ対策
- 暑熱順化で夏に強い体に。涼しい時間に走る
- 「いつもと違う疲労・止まらない汗・渇き」を感じたら即冷却・即休憩
そして、意識がもうろうとする・けいれん・水分がとれないときは、迷わず救急車を。
無理をしないことが、夏を長く楽しむいちばんのコツです。




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