ロードバイクのお尻の痛みは、一度解決したと思ってもまた出てくることがあります。
私がそうでした。
- 普段着をやめてパッド付きウェアにしたら10kmの痛みは消えた。
- でも40kmを超えると再発した。次に滑りにくいサドルにしたら改善した。
- でも初めての100kmロングライドで後半に痛くなった。
最終的に解決したのはポジションの見直しでした。
この記事では、私が実際に体験した「3段階の解決プロセス」をお伝えします。
また記事後半では普段のママチャリやクロスバイクでも導入しやすいクッションサドルについて紹介します。
この記事は約 7分 で読めます。
お尻の痛みには「段階」がある
ロードバイクのお尻の痛みには、距離によって原因が変わる段階があります。
これを知らないと「ウェアを買ったのにまだ痛い」「サドルを変えたのにまだ痛い」と迷走し続けます。
私の場合はこんな感じでした。
| 痛くなる距離 | 主な原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 〜20km | 普段着の縫い目・摩擦 | パッド付きウェアに変える |
| 20〜60km | サドル上でお尻がずれる・滑る | 滑りにくいサドルへ変更 |
| 60km〜 | 手・足・尻の荷重バランスの崩れ | ポジション全体を見直す |
「今どの段階か」を把握してから対策することが、遠回りしない最短の解決策です。
段階①:まず普段着をやめる(10〜20kmで痛い人へ)
私はロードバイク通勤を始めた当初、普段着のまま乗っていました。スーツのスラックスで7kmの通勤。
10kmも走らないうちにお尻がじんじんと痛くなりました。
この段階の痛みの原因は「摩擦と縫い目」です。普通の衣類の縫い目がサドルとの間で擦れ続け、皮膚にダメージを与えます。サドルではなく、衣類の問題です。
パッド付きのサイクルインナーに変えた日、違いは明らかでした。
パッドがクッションになり、縫い目のない素材が摩擦を減らしてくれます。
この段階の痛みはウェアだけでほぼ解決します。
こちらでパッド付きウェアのおすすめを解説していますので併せてお読みください

なお後述しますが、ポジションを見直したところいまではスラックスや普段着でも30km程度まではまったくお尻が痛くなく走れるようになりました。
段階②:40kmで再発するのは「サドルのズレ」が原因
ウェアを変えて、20〜30km程度の距離は快適になりました。
しかし週末に40km程度のライドに出るとまた痛くなる。今度はウェアの問題ではありませんでした。
お尻がずれると何が起きるか
走りながら原因を探っていきました。
走っている最中にペダリングの影響でお尻がサドル上でじわじわとずれていく。
ズレないようにするためにお尻に体重をかけて固定する、そうすると圧迫が強くなり、痛みにつながる。
また最適な坐骨の位置からずれ、知らずのうちに前乗りになってしまい、サドルの細い部分に乗る時間が増えることで、特定の箇所が圧迫され続けます。それも痛みの原因の一つでした。
ずれが起きる理由は「サドルの表面素材」と「サドル表面の状況」です。
ツルツルした素材のサドルや使い古されてツルツルになってしまったサドルでは、ペダルを踏む力の反動でお尻が前後に動きやすくなります。気づかないうちに坐骨の最適な位置からずれているのです。
滑りにくいサドルへの買い替え
対策として選んだのが、表面にグリップ素材を使った滑りにくいサドルです。お尻がホールドされることで、ペダリングしても位置がほぼ動かなくなりました。坐骨が常に正しい場所に乗り続けるため、特定箇所への集中した圧迫がなくなります。
おすすめしたいのはセライタリアのNOVUS BOOSTサドルです。

いままで4つほど4,000円〜12,000円のレンジのサドルを試しましたが、この価格帯で最も滑りにくかったのはこのサドルでした。サドルを変えてから40〜60kmの痛みはほぼなくなりました。通勤でも週末ライドでも快適さが大きく変わりました。
私の場合、そこからさらに自分に合うサドルを探して現在は130mm幅のサドルになりました。
私のサドル遍歴についてた以下の記事をご覧ください。

段階③:100km走れるようになったポジション見直し
ウェアとサドルを見直して、通勤や40〜60kmのライドは快適になりました。しかし初めて100kmを超えるロングライドに挑戦したとき、80km付近から再びお尻に痛みが出てきました。
この段階になって「ポジション全体」の問題だと気づきました。
手・足・尻の3点荷重バランス
ロードバイクには体と接する3つの接点があります。
ハンドル(手)、ペダル(足)、サドル(尻)です。
この3点にバランスよく荷重が分散されていれば、どこか1点に過剰な負担がかかることはありません。
私の問題は、長距離になるにつれてサドルへの依存度が高まっていたことでした。疲れてくるとハンドルへの荷重が減り、その分がサドルに集中してしまいます。坐骨への圧迫が時間とともに蓄積して、100km手前で限界を迎えていたのです。
骨盤の傾きと坐骨への圧迫
鍼灸師として身体の構造を見ると、ポジションの問題は「骨盤の前傾・後傾」に集約されます。
- サドルが高すぎる:骨盤が過度に前傾し坐骨の前方、ハムストリングスの起始部に荷重が集中する。また反り腰になるため腰椎への圧迫も増加。
- サドルが低すぎる:骨盤が後傾し、坐骨後端に荷重が集中する。胸部が閉じるため呼吸がしづらくなる。
- 体幹が弱い・疲れてくる:腕でハンドルを支えられなくなり、サドルへの依存度が上がる
まず私が見直したのは
- サドル高さ
- サドルの水平
- サドルの前後位置
です。
ハンドルの高さやハンドルまでの距離というのも重要ですが、ハンドルまわりをいじるとハンドルにガタが出たり専用パーツ(ステム)が必要だったりとハードルが高いです。
すぐに試せて効果があるのがサドルの調整です。
ポジション見直し後、再び100kmのロングライドに挑戦しました。
そして後半も痛みは出ませんでした。ウェアとサドルだけでは届かなかった領域を、ポジション調整が解決してくれました。
ポジション調整の具体的なチェックポイント
サドルの角度:水平に合わせる。
意外とサドルが水平じゃないということがあります。
サドル高さ調整の前に一度水平に合わせます。
サドルの水平を合わせる基準は『自分が座るポイントが水平になるようにする』です。
サドルの前後位置:真ん中に合わせる
前や後ろにずらさず、真ん中に合わせます。
サドルレールにメモリが付いているタイプのものはそれを基準に合わせましょう。
サドル高さ:ペダルが一番下のときにかかとを乗せて膝がほぼ伸びきる高さ。
ここが最重要ポイントです。

まずこれを基準点にします。
これはフラットペダルでも、ビンディングペダルでも同じです。
基準点ができたら、サドルに何か目標をつけてあとからどこが基準だったかわかるようにします。
私は薄くマジックで目標をつけました。
次にこの基準点をベースに
①基準より1cm上げる
②基準に戻す
③基準より1cm下げる
このように3パターン、それぞれ3分ほど乗って試します。
そして『一番違和感がない高さ』に合わせます。
よくわからなかった、という方はひとまず基準点に合わせることをおすすめします。
自分では確認しにくい部分は、専門店でのフィッティングやロードバイクトレーナーによるフィッティングが最も確実です。1回のフィッティングで根本的に改善するケースも多くあります。
サドルの高さはお尻の痛みだけでなく、膝の痛みにも関係します。
膝の痛みについては以下の記事にまとめているので合わせてお読みください。

続・サドルについて|普段使いしやすいクッションサドル
実は、妻も同じ悩みを抱えていました。
通勤用にミニベロ(小径車)に乗り始めた妻から「お尻が痛い」と相談を受けたのです。
私が実践しているポジション調整やパッド付きインナーを勧めてみましたが、
「普段着で乗りたい」「ポジションを変えると怖い」とのこと。
そこでサドル交換だけで対応することにしました。
ミニベロのシティサイクルということもあり、お尻への荷重がかなり強い状態でした。
ずれにくさよりもクッション性を優先して選んだのが、ロックブロスのサドルです。
価格もお手頃で、「あまりお金をかけたくない」という妻の希望にも合っていました。
実際に使ってもらったところ、こんな感想が返ってきました。
「座布団に座っているみたいで痛くない!しかもずれないからお尻が安定する」
コスパ重視の方や、普段着で乗りたい方にはまず試してみる価値があると思います。
まとめ
お尻の痛みは「距離」によって原因が異なります。段階ごとに対策を積み重ねることが、最終的な解決への近道です。
- 10〜20kmで痛い → まずパッド付きウェアに変える
- 40kmで痛い → サドルのズレが原因。滑りにくいサドルへ変更する
- 100kmで痛い → ポジション全体(手・足・尻の荷重バランス)を見直す
私は普段着での10km痛みから始まり、この3段階を経て100kmでも痛みが出ない状態になりました。通勤9年・年間7,500km走り続けられているのは、この解決プロセスがあったからです。焦らず段階を踏んでください。必ず解決できます。


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