ヒルクライムレースが近づいてきました。
それが、ホイール交換を本気で検討しはじめた直接のきっかけです。現在使っているシマノ105 WH-RS710-C46-TL DISCは通勤でも週末ライドでも不満はありません。しかしヒルクライムとなると「もっと軽いホイールなら…」という欲求が出てきました。
ただし、レース専用に買う気はありません。レース後も通勤・週末ライドで使い続けることを前提に、コスパ・汎用性・ハブ性能を軸に6モデルを比較しました。
予算は中古込みで10万円前後。ホイールはリセールバリューが低いため、中古市場を中心に検討しています。なお、YoeleoとDT Swissは実際に試乗済み。どちらの乗り味も好印象でした。
比較の4つの軸
- ホイール重量:ヒルクライムに直結。現行シマノ105比での軽量化幅を重視
- ハブ性能:エンゲージメント(踏んだ瞬間に推進力になるまでの速さ)と速度維持性能、耐久性
- 価格・中古相場:予算10万円以内。流通量も重要
- 用途適性:ヒルクライム特化 vs 通勤・週末ライドにも使えるオールラウンド性
現在使用中:シマノ105 WH-RS710-C46-TL DISC(比較ベース)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 1,612g(フロント719g+リア893g) |
| リム高 | 46mm |
| リム内幅 / 外幅 | 21mm / 28mm |
| 対応タイヤ | チューブレスレディ(25〜32mm) |
| ハブ | シマノ製ポールラチェット方式 |
| 新品価格(参考) | 約¥110,000 |
通勤でもライドでも扱いやすく、カーボンながら比較的リーズナブルなエントリーカーボンホイールです。ただし重量・ハブ性能ともにエントリーレベルであり、ヒルクライムでより上を目指すなら乗り換えの価値がある1本です。
比較6モデル 詳細レビュー
① ICAN DT AERO40 II Disc(DT Swiss 240ハブ搭載)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 約1,206〜1,258g |
| リム高 | 40mm |
| リム内幅 / 外幅 | 23mm / 28mm |
| 対応タイヤ | クリンチャー / チューブレスレディ(28〜45mm) |
| ハブ | DT Swiss 240 EXP(Ratchet EXP 36T) |
| スポーク | Sapim CX-Ray |
| 最大システム重量 | 110kg以下 |
| 新品価格 | ¥163,999 |
| 中古相場 | 流通なし |
シマノ105比で最大約400gの軽量化が最大の特徴です。中国系ブランドICANのリムにDT Swiss 240ハブとSapim CX-Rayスポークを組み合わせた贅沢なコンストラクション。ハブだけで言えばDT Swiss ARC1400と同等品が搭載されています。
予算10万円には届きませんが、DT Swiss 240ハブ+軽量リムを新品で手に入れられる最安値モデルとして見ると、コストパフォーマンスは高いです。中古流通がないのが惜しい点です。
評価
- ✅ 6モデル中最軽量クラス(〜1,258g)
- ✅ DT Swiss 240ハブ搭載でハブ性能は最高峰レベル
- ✅ 40mmリムでヒルクライムでも風の影響を受けにくい
- ❌ 中古流通がないため定価購入が必須
- ❌ 予算10万円をオーバー(¥163,999)
② Yoeleo SAT C35 DB PRO NxT SL2
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 1,260g ±5% |
| リム高 | 35mm |
| リム内幅 / 外幅 | 23mm / 32mm |
| 対応タイヤ | クリンチャー / チューブレス(25c以上推奨) |
| ハブ | YOELEO NxT ラチェット 36T |
| スポーク | Pillar WING 2.0 エアロスポーク |
| 最大システム重量 | 125kg以下 |
| 新品価格 | ¥159,000 |
| 中古相場 | ¥80,000〜100,000 |
試乗したYoeleoのローハイトリムモデルです。実際に乗った感想は「軽い・スムーズ・反応がいい」の三拍子。35mmリムはヒルクライムに最適な深さで、横風の影響も最小限です。
中古相場が¥80,000〜100,000と予算内に収まり、リム高・重量・価格のバランスが今回の6モデルの中で最もヒルクライム向きと言えます。リム外幅32mmというワイドリムは快適性向上にも寄与します。
評価
- ✅ 試乗済みで乗り味を確認済み
- ✅ 1,260gの軽量設計(シマノ105比-352g)
- ✅ 35mmリムでヒルクライム適性が高い
- ✅ 中古相場¥80,000〜100,000で予算内
- ❌ NxTハブはDT Swiss 240より格は下がる
- ❌ 35mmリムは平坦での空力不利
③ Yoeleo SAT C50 DB PRO NxT SL2
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 1,320g ±5% |
| リム高 | 50mm |
| リム内幅 / 外幅 | 23mm / 32mm |
| 対応タイヤ | クリンチャー / チューブレス(28c〜47c) |
| ハブ | YOELEO NxT ラチェット 36T |
| スポーク | Pillar WING 2.0 エアロスポーク |
| 最大システム重量 | 125kg以下 |
| 新品価格 | ¥159,000 |
| 中古相場 | ¥90,000〜110,000 |
C35の50mmバージョン。同じNxTハブを搭載しつつ、リム高が50mmになることで平坦路での空力性能が向上します。ヒルクライム後に平坦区間や下りが続くコースでは、C35より有利になる場面があります。
重量はC35比で60g重い1,320gですが、シマノ105比では292gの軽量化。通勤から週末ライド、そして年に数回のレースまでオールラウンドに使いたい人に向いています。中古相場は¥90,000〜110,000と予算ギリギリのラインです。
評価
- ✅ 試乗済みで乗り味確認済み(C50も同系統)
- ✅ 1,320g(シマノ105比-292g)
- ✅ 50mmリムでヒルクライム+平坦のオールラウンド性
- ✅ C35と同価格・同スペックでリム高だけが違う
- ⚠️ 中古相場¥90,000〜110,000(予算わずかにオーバーの可能性)
- ❌ NxTハブはDT Swiss 240より格は下がる
④ 8lien F4 Disc Carbon Wheelset
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 1,360g ±30g |
| リム高 | 45mm |
| リム内幅 / 外幅 | 21mm / 28mm |
| 対応タイヤ | クリンチャー / チューブレス(25〜40mm) |
| ハブ | DT Swiss 240(Ratchet 36T) |
| スポーク | Sapim CX-Ray |
| 最大システム重量 | 120kg以下 |
| 保証 | 3年間+生涯クラッシュ交換 |
| 新品価格 | ¥224,252 |
| 中古相場 | 流通なし |
注目ポイントはDT Swiss 240ハブ+Sapim CX-Rayスポークという最高峰の組み合わせを搭載していること。構成パーツだけで見ればDT Swiss ARC1400と同等です。
ただし新品のみの流通で¥224,252と高価。ブランド認知度が低いため中古市場への出品もほぼなく、リセールバリューを重視する私の方針とは少し合わない選択肢です。生涯クラッシュ交換保証は魅力的です。
評価
- ✅ DT Swiss 240ハブ+Sapim CX-Rayの最高峰コンストラクション
- ✅ 1,360g(シマノ105比-252g)
- ✅ 生涯クラッシュ交換保証
- ❌ 新品¥224,252と予算大幅オーバー
- ❌ 中古流通なし・ブランド認知度が低くリセール不明瞭
⑤ DT Swiss ARC1400 DICUT DB 55mm
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 1,559g(フロント723g+リア836g) |
| リム高 | 55mm |
| リム内幅 / 外幅 | 22mm / 28mm |
| 対応タイヤ | チューブレスレディ・フック付き(推奨28〜30mm) |
| ハブ | DT Swiss 240 DICUT(Ratchet EXP 36T) |
| スポーク | DT Aerocomp II t-head |
| 最大システム重量 | 110kg以下 |
| 新品価格 | ¥315,354 |
| 中古相場 | ¥150,000前後 |
試乗したもう1本。乗り味は確かに別格で、路面インフォメーションの豊かさとリアへの推進力の伝わり方がDT Swiss 240ハブの真骨頂と感じました。
ただし、注目すべき数字があります。セット重量1,559gは現行シマノ105(1,612g)と比べてわずか53gの差です。6モデル中最重量級であり、このホイールの本質は「軽さ」ではなくハブの品質・空力・乗り味・耐久性への投資です。
中古¥150,000は予算10万円の1.5倍。ブランド信頼性とリセールバリューは6モデル中最高ですが、予算的には厳しい選択肢です。
評価
- ✅ 試乗済み・乗り味は6モデル中最高レベル
- ✅ DT Swiss 240 DICUT+Ratchet EXPは業界最高峰ハブ
- ✅ 55mmの高い空力性能・平坦〜アップダウンのオールラウンダー
- ✅ リセールバリューが6モデル中最も高い
- ❌ 重量1,559g=シマノ105比たった53g減(軽量化目的では非効率)
- ❌ 中古¥150,000と予算の1.5倍
⑥ ZIPP 303S
| 項目 | スペック |
|---|---|
| セット重量 | 1,530g(フロント711g+リア819g) |
| リム高 | 45mm |
| リム内幅 / 外幅 | 23mm / 28mm |
| 対応タイヤ | チューブレスのみ(フックレスリム・最大73psi) |
| ハブ | ZIPP ZR1(66T・エンゲージメント5.5度) |
| スポーク | Sapim ブレードスポーク(J-bend・2クロス) |
| 最大システム重量 | 130kg以下 |
| 保証 | 生涯保証(非譲渡) |
| 新品価格 | ¥223,800 |
| 中古相場 | ¥80,000〜110,000 |
ZR1ハブの66Tラチェット(エンゲージメント5.5度)は今回の6モデル中で最も鋭い反応性を持ちます。踏み込んだ瞬間に素早く推進力に変わる感覚は独特です。
ただし大きな制約があります。フックレスリムのため最大タイヤ圧73psi・チューブレス専用。クリンチャータイヤの使用は推奨されておらず、タイヤ選択の自由度が大幅に制限されます。通勤でも使う場合、タイヤトラブル時の対応が難しくなる点は要注意です。
重量1,530gはシマノ105比82gの軽量化。6モデル中の軽量ランキングでは下位であり、コストパフォーマンスは高くありません。
評価
- ✅ ZR1ハブ66Tで6モデル中最速のエンゲージメント
- ✅ 中古¥80,000〜110,000で予算内の可能性あり
- ✅ ZIPPブランドの認知度・生涯保証
- ❌ フックレス+チューブレス専用(73psi上限)でタイヤ選択肢が狭い
- ❌ 1,530gは軽量化効果が低い(シマノ105比-82gのみ)
- ❌ 新品¥223,800は価格に対する重量軽減効果が薄い
全7モデル スペック一覧比較表
| ホイール | 重量 | リム高 | 内幅 | ハブ | 新品価格 | 中古相場 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| シマノ105 WH-RS710-C46(現在) | 1,612g | 46mm | 21mm | シマノ ポール | ¥110,000 | — |
| ① ICAN DT AERO40 II | 〜1,258g | 40mm | 23mm | DT Swiss 240 | ¥163,999 | なし |
| ② Yoeleo SAT C35 | 1,260g | 35mm | 23mm | NxT 36T | ¥159,000 | ¥80,000〜100,000 |
| ③ Yoeleo SAT C50 | 1,320g | 50mm | 23mm | NxT 36T | ¥159,000 | ¥90,000〜110,000 |
| ④ 8lien F4 Disc | 1,360g | 45mm | 21mm | DT Swiss 240 | ¥224,252 | なし |
| ⑤ DT Swiss ARC1400 55mm | 1,559g | 55mm | 22mm | DT Swiss 240 DICUT | ¥315,354 | ¥150,000前後 |
| ⑥ ZIPP 303S | 1,530g | 45mm | 23mm | ZR1 66T | ¥223,800 | ¥80,000〜110,000 |
目的別 おすすめはこれ
ヒルクライム重視・予算10万円以内 → Yoeleo SAT C35
中古¥80,000〜100,000で予算内に収まり、1,260gの軽量設計+35mmリムはヒルクライムに最適な組み合わせです。試乗済みで乗り味も確認済み。実際に手が届く選択肢の中では最もヒルクライム特化型です。
ヒルクライム+オールラウンド・予算わずかに延ばせる → Yoeleo SAT C50
C35より60g重くなりますが50mmリムで平坦の空力性能が向上。通勤・週末ライド・レースをひとつのホイールでこなしたい場合はC50が現実的な選択です。中古¥90,000〜110,000でC35よりわずかに高いだけなので、オールラウンド重視ならC50を選びます。
ハブ品質と軽量を両立・予算を増やせるなら → ICAN DT AERO40 II
¥163,999の新品購入が必要ですが、DT Swiss 240ハブ+最軽量クラスのリムという組み合わせは6モデル中随一のコストパフォーマンスです。中古が出回らないため定価になりますが、ヒルクライムにもオールラウンドにも対応できる万能モデルです。
乗り味・ブランド・長期使用を最優先 → DT Swiss ARC1400 55mm
試乗した中で乗り味は間違いなくナンバーワン。予算オーバーの中古¥150,000ですが、リセールバリューの高さ・DT Swiss 240 DICUTハブの信頼性・長期耐久性を考えると、長く使い続けるホイールとして選ぶ価値があります。ただし重量はシマノ105比53gしか軽くならないため、「ヒルクライムで劇的に速くなりたい」という目的には向きません。
私の結論
正直に言うと、まだ迷っています。
ヒルクライムレースのためだけに買うならYoeleo SAT C35が最も合理的な選択です。予算内・軽量・試乗済みの三拍子がそろっています。
ただ、その後の通勤・週末ライドへの汎用性を考えるとYoeleo SAT C50に傾きます。わずかな予算差でリム高が35mm→50mmになり、オールラウンド性が格段に上がります。
DT Swiss ARC1400の乗り味が忘れられないのも事実。しかし予算10万円で中古¥150,000の選択肢に手を伸ばすのは…と毎回葛藤しています。
この記事を書きながら改めて整理した結論は「予算内で買えるYoeleo SAT C50の中古を狙い、DT Swiss ARC1400は次のステップに残す」です。ホイールは乗り続けるほど元が取れるもの。まずは使えるレベルの良いホイールを手に入れ、次のグレードアップを楽しみにするのが長く楽しむコツだと感じています。
もし実際に購入・交換したらまた記事にします。引き続きお付き合いください。
筆者:くりりん|鍼灸師・ロードバイク通勤歴9年(片道7km)。ヒルクライムレースを機にホイール沼へ。


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